怒る上司、怒らない上司。
怒りっぽい上司、穏やかな上司、みなさんはどちらの上司についていきたいと思いますか?
すぐに怒鳴り散らす社長と、そうでない社長で、業績の違いはあるのでしょうか。
「銀のさら」の社長は、怒らない経営を意識してから、人が育ち業績が伸びていったと語っていました。
肌感覚でも怒りっぽい社長のいる会社の方が業績が悪く、従業員も定着しない印象があります。
個人の意見としては怒ること自体が悪いのではなく、怒り方に問題があるように思います。
先日、「先輩に怒りをぶつける部下をたった一言で黙らせた課長の上手な叱り方」という記事をネットニュースでたまたま目にしました。
先輩に対し、意見の違いから激怒する後輩社員がいたようです。内容から察するとかなり感情的になり、ものすごい勢いで先輩社員に食って掛かっているといった状況のようです。
それを見かねた上司がかけた言葉が、
「君ほどの人間が、今回はどうした」
でした。この言葉を受けて後輩社員は一瞬で我に返ったようです。
「先輩に向かってその態度はなんだ!」などという言葉では後輩の心はその場で収まることはなかったでしょう。
人間は「承認欲求」を基本スペックに備えて生まれてきます。
そして「自己の重要感」を求めて生きています。
他人や、自分の属するコミュニティに認められたい、重要でありたいと常に思っているのです。
「君ほどの人間が、今回はどうした」という言葉ではまず「君ほどの人間」という本人を肯定している言葉が入っていますね。上司に自分の能力が認められている、と感じることができます。そして「今回はどうした」では、いつもは優秀だが今回はいつもと違うという意味に聞こえます。
かけた言葉の全体の意味としては、怒りをぶつける後輩が間違っているとういう方向を向いていますが、その中にはしっかりと「能力や人格の承認」が含まれているのです。
自分ならどんな行動を取ったでしょうか。頭ごなしに怒鳴りつけることはまずしないと思いますが、一言で沈めることはまず無理だったと思います。
人が怒りを感じる状況は2つしかないそうです。
身の危険を感じた時と、物事が思い通りにいかなかったとき、です。
この怒れる後輩さんは、何か思い通りに行かないことが起きたのでしょう。それを怒りとしてぶつけた時に、先輩に対する態度を指摘されては怒りが増すばかりで解決はしかったでしょう。もしかしたら辞めてしまったかもしれません。
言葉の選び方、勉強になりますね。
怒りを感じた時は、言葉に出す前に上記の2つ思い出してみるといいと思います。
怒りの原因が「思い通りに進んでないのだ」と気づくことが出来れば冷静になれます。
なぜ思い通りに進まなかったのかを考える余裕が生まれ、問題解決が早くなるかもしれません。